本を編集しているとき、いろいろなものを手当たり次第に調べるのですが、「え?」というものに出会うことがあります。そのなかで継続して調べているものがあります。それは「たいこむし」。「タイコウチ」ではありません。
明治時代の子どもの本を調べていたら、トンボの幼虫の呼び名が「たいこむし」になっていました。
下記2見開きは『女子理科教科書. 上』(寺尾捨次郎, 能勢頼俊 著 金港堂 明治32年 国立国会図書館蔵)より

女子理科教科書1

「水蠆」に「たいこむし」とルビがふられていますが、パソコンで「やご」を変換すると「水蠆」の文字がでてきます。この文字、「やまめ」とも読むようです。

 

女子理科教科書2

トンボにさなぎの時代はありませんが、むかしはさなぎがあると見ていたのですね。

高等小学理科筆記参考書

ここでも「たいこむし」の名前だけ。「やご」の名はありません。『高等小学理科筆記参考書. 第1学年』(教育資料研究会 編 学海指針社 明治38年 国立国会図書館蔵)より。

明治40年をすぎると、やごの名がでてきます。このやごの絵、ちょっと変で面白いです。

小学理科表解

明治42年の本では、「やご」は一名「たいこむし」になっています。『小学理科表解. 第5年生用』(小学理科研究会 編盛文館 明治42年 国立国会図書館蔵)より。

今、事典などを見ると「やご」は別名「たいこむし」になっています。いつ、この呼称が入れかわったのでしょう? 原因は理科の教科書? どなたか、ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。