伊藤圭介の『植物図説雑纂』(国立国会図書館蔵)より。

4植物図説雑纂91巻-

植物の写生の上に葉のスケッチが貼られています。写生は写実的。

タンポポのページを見ると、さまざまなメモ書きの横に絵が貼られています。

植物図説雑纂91巻

絵の構図が英国などのボタニカルアート風。模写したものだと思われます。そして、このタンポポは総苞がそりかえっています。

絵の下にあるメモは、タンポポのラテン語。伊藤圭介がのちにつくった『泰西本草名疏(たいせいほんぞうめいそ)』にもこのラテン語が出てきます。『泰西本草名疏』はシーボルトよりゆずられたツュンベリーの「日本植物誌」をもとにしたものです。以下の画像は『泰西本草名疏』より。(国立国会図書館蔵)

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左ページ、右から2行目です。

泰西本草2

和名の下の○。草稿のときには「シ」とメモされていたものが、シーボルト事件を配慮して、○印になっているそうです。右の絵は、ツュンベリーでしょうか。

泰西本草

本の扉。横組の文字につけたルビ文字の向きが面白い。

シーボルトと伊藤圭介と『泰西本草名疏』のくわしい説明は国立国会図書館の「描かれた動物・植物ー江戸時代の博物誌」にあります。このページは、ものすごく充実していますので、ぜひご覧ください。
http://www.ndl.go.jp/nature/cha1/index3.html