旧暦という言い方をよくしますが、明治5年まで使われていた太陰暦には30日ある大の月と29日の小の月がありました。
でも、大小の月の繰り返しでは、暦と季節が合わなくなってくるため、2~3年に1度はうるう月をつくり、調節していました。月末に支払い、なんてときはその月の月末がいつか、覚えていなくてはならないので大変です。月の大小の並び方やうるう月を知ることは人々にとって非常に重要なことでした。

暦が普及してくると「大小暦」または「大小」といわれるものがつくられるようになりました。その年は大の月がいつ、小の月がいつ、ということを覚えておくためのものです。面白いのはその趣向です。

ウサギ

1867年卯年のもの。大の月は臼に、小の月はうさぎの絵の中にかくれています。(『絵暦貼込帳』 寛政4-明治3(1792-1870)刊 新城文庫 国立国会図書館蔵) 

ちなみに、私にはまだ探せていない文字があります。
次は翌年、明治維新の年です。

1868

絵は河鍋暁斎。幕末の「ええじゃないか」の踊りを大小暦にし、男女で月の大小を表わしています。(『絵暦貼込帳』 寛政4-明治3(1792-1870)刊 新城文庫 国立国会図書館蔵) 

 

江戸時代のこういう遊び心を見ていると、本や紙にはまだまだ工夫の余地があるのではないか、と思ってしまいます。何より楽しんでいることが伝わりますね。