国立科学博物館で行われていた「南方熊楠」を見に行きました。
1時間ほどで見られる小さな特別展ですが、人も多く、面白い展示でした。
変形菌についてあまり知らない方もいらっしゃると思いますが、「粘菌」という言葉を聞いたことはありませんか?
朽ち木や土のなかで生活し、子実体をつくって胞子で殖える生き物。
姿をさまざまに変えるので「変形菌」とよばれています。
現在の標本ですが、変形菌の子実体がわかるものも展示されていました。
「ホコリ」という名前がついているのは、胞子をほこりのように出すから。
とても小さくて、撮れているかな〜と思ったほどでした。

田辺抜書 「熊楠が田辺に定住してから、闘鶏神社や田辺図書館、知人などから本を借りて書き写したノート。1907年から1934年にかけて61冊が書かれました。「虎」にも記載が多数引用されています。」との説明がありました。
熊楠は、「抜書」→「腹稿」という流れで考えをまとめていたそうです。
膨大な情報量を整理し、組み立て、表現することに対し、真摯です。
そして、最も深く心に響いたものがこのフレーズ。
「精神を安定に保ための手段だったといえます」といえるかどうかは?ですが、自分のなかのさまざまな揺れを、収集、分析、研究に求めた熊楠。
そのレベルには遠く及びませんが、自分のなかにあるものと近いものを感じます。
自分のなかの狂気を、何かに変えた人たちに心ひかれる毎日です。
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