身近な自然と子どもの本と

ぜんぶわかる!アサガオ

アサガオ表紙

しぜんのひみつ写真館4
『ぜんぶわかる!アサガオ』
渡邉弘晴 著
仁田坂英二 監修

 

 

なくなっていたアサガオの本
夏休みにアサガオを育てた記憶は多く人にあると思います。当時は、アサガオの本がいっぱいあった気がしませんか? 確かに1980年代はたくさんありましたが、だんだん減っていき、2000年をすぎてからは、書店で見ることもなくなりました。これは、自然科学の子どもの本全体に言えることですが、新しさに欠けるとみなされてしまったのでしょう。新しい本がつくられていない間に、研究はものすごく変化し、すすんでいました。

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どの本の表紙も紅色。実験などに用いられるアサガオが紅色だったためです。

著者のこと
著者の渡邉弘晴さんは、写真絵本『むしをたべるくさ』http://s-wonder.jp/photobook/の著者でもあります。上の写真、上段中央にある集英社カラーサイエンス『アサガオ』も渡邉さんの著書。当時は「渡邉晴夫」の名前で活躍してらっしゃいました。
渡邉さんには「ムラサキ」と呼ばれる種類(最初の章の紅色のアサガオ)と「東京古型標準」と呼ばれる種類(表紙の青いアサガオ)を中心に育て、継続して撮影していただくことをお願いしました。
生物の撮影は、だめになることも考えて何鉢も育てます。この2種類のほかにもスカーレットオハラや変化アサガオを育てていただいたので、すごい数だったと思います。また、植物の発芽や根の撮影は独特の工夫が必要です。黒土を用意して、ガラス板などをつかって芽生えや根の成長を美しく撮ってくださいました。
東京古型標準の成長も撮ってくださったので掲載したかったのですが、ページが足りず断念。ここで少し紹介します。

説明:アサガオの観察、ヒルガオ科、東京古型標準型、2/6播種 画像ソース:Nikon D5300

東京古型標準の芽生え。赤っぽい色が独特でした。©Kosei Watanabe

説明:アサガオの観察、ヒルガオ科、東京標準古型、 画像ソース:Nikon D5300

東京古型標準の鉢植え。成長の記録を撮影するための鉢です。©Kosei Watanabe

説明:アサガオの観察、ヒルガオ科、東京古型標準型、 画像ソース:Nikon D5300

東京古型標準が咲きそろったところ。日本に昔からある色、独特の青さが美しいアサガオです。©Kosei Watanabe

監修の先生のこと
監修は九州大学の仁田坂英二先生にお願いしました。変化アサガオで有名な先生ですが、アサガオの話をぜひお聞きしたいと思ったのです。先生に監修をお願いすると「子どもの本はもうなくなっていますしね」「ぜひ、つくりたい」とおっしゃってくださいました。今の情報をきちんと入れたアサガオの本は、古本以外に入手できなくなっている状況をご存知でした。

そして、先生がアサガオの本を子どものころに見て、その種がほしくていろいろな方に手紙を書き、お願いしたというお話をうかがいました。編集者にとってはこの上なくうれしいことです。
そして私も、変化アサガオを本に入れたいとお伝えし、ポピュラーな変化アサガオの種子を分けていただきました。

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吹掛絞りという模様、桔梗咲という花の形のアサガオ。模様は1つ1つ違い、花の一部が紅色になるものもありました。

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乱菊。さまざまに乱れ、葉の形も花の形も1つずつ違います。咲くのが楽しみな花でした。

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葉は黄色いっぽい黄葉。花は変化が抜けていますが、花びらは5つに切れ、巻いています。

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立田と呼ばれる変化アサガオ。葉は黄色っぽい黄葉、カエデのようです。花びらも5つにわかれています。

説明:アサガオの観察、ヒルガオ科、変化アサガオ、 画像ソース:Nikon D5300

著者撮影の変化アサガオ、獅子。やっぱり美しい!©Kosei Watanabe

短日植物
アサガオを育てていちばん驚いたのは、アサガオのつるの出方と花芽のつけ方。つるが出てくるシステムはよくできていて、あるつるが「これ以上のびることができないな」と判断すると、べつのつるが伸びます。また、いちばん先のつるがのびているときは、脇芽はあまりできず、無駄がありません。頂芽優先とよばれる性質です。また、暗い時間が10時間以上にならないと花芽をつくるスイッチが入りません。暗さを感じた葉がスイッチを入れるということにもびっくりしました。

説明:アサガオの観察、ヒルガオ科、古型アサガオ、 画像ソース:Nikon D5300

苗のうちに16時間以上暗いところに置いたアサガオ。ほかより早く、葉が5枚ほどでたところで開花しました。©Kosei Watanabe

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会社で育てたアサガオをこんな風に楽しんだりもしました。

変化アサガオのひみつ
この本でいちばん感じてほしいのは「アサガオの面白さ」でした。でも、変化アサガオのしくみは遺伝のしくみです。子ども向けに簡単に説明するのはむずかしい。そこで、2章は先生のアイデアで、変化のしくみを分解して紹介することにしました。ほかの本にないわかりやすい構成になったと思います。

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変化アサガオ葉

説明:アサガオの観察、ヒルガオ科、変化アサガオ、 画像ソース:Nikon D610

石だたみ。色は「葡萄鼠」と呼ばれる渋く深い色です。©Kosei Watanabe

アサガオFacebook
アサガオの本では、帯にQRコードをつけ、ご応募いただいた方に変化アサガオの種をプレゼントさせていただきました。この試みが成功だったかどうかは、わかりません。けれども、種のプレゼントのためにFacebookでページをつくり(https://www.facebook.com/asagaotane)、ほぼ毎日更新すると、たくさんの方が読んでくださっていることがわかりました。本をつくっているときは不安で、孤独です。でも、つくった本のむこうに、読んでくださる方々、興味をもってくださる方々が見えました。そんなみなさんにこれからも、「こんなことあります!」をお届けしたいと思います。

更新はゆるやかになりますが、Facebookも続けますので、これからもよろしくお願いいたします。

 

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